B国史において、オビド・ミンコウスキーらしき人物の記述がある。
記述によると、その人物は人智の及ばぬ業で、
同国の六万の兵を敵の陣地へ無傷で送り込ませたという。
それは瞬間移動だとか、何か別の次元に移動させたのだとか、
視覚の魔法で、敵の目から見えぬように隠したとも言われるが、何れも確証はない。
その術の正体を知る者は誰一人居らず、術に関連する準備から何から、
オビドは一切を一人で行ったものと思われる。
B国は戦争には勝利したものの、兵士はその多くが命を落とし、
また生き残った者達の証言はちぐはぐだった。
当時から現在に至るまで、国家から個人、多くの人々が彼を追ったが、
終ぞその足取りは攫めなかった。
真実らしき仮説を打ち立てる事もできないまま、歴史には謎の大魔法使いが
ベルッツヒルの戦を勝利に導いた旨だけが記述される事となった。


絵:だいたい↑のほうがあたらしいものとなっています